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小坂・山口の辻
山口の丸髷
やまぐちのまるまげ
この道祖神は、ご覧の通り 磨耗が進んでしまっており、細部を確認することができません。 こちらは1715年・正徳五年の作であり、 山形村に現存する最古の道祖神となります。 男神は公家風のいでたちで、前髪を垂らしています。 女神は「丸髷(まるまげ)」という 江戸時代の既婚女性の髪型で、 振袖を着ています。 幼馴染の恋人同士でしょうか? 可愛らしい雰囲気の道祖神です。 二人の手はとても大きく、 お互いの肩を深く抱き合っています。 胸も腰もぴったりと密着させ、 男神の右足と、女神の左足が今にも交差しそうです。 顔も正面ではなく、お互いの方を向き合い、 情熱的に見つめ合っています。 この道祖神は、 もともと朝日村の芦之窪にあったものですが、 この辺りに道祖神がなかったことから、 芦之窪の住人に頼んで、 1795年・寛政七年に譲り受けたものです。 当時の風習から 「道祖神を盗んで持ってきて、嫁入りさせる」 という体裁をとったようで、山形村の屈強な男達2,3人が かわるがわるに道祖神を背負い、朝日村から乗越の山道を 背負って運んできたそうです。