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小坂・大日堂辻
つつましき女神
つつましきめがみ
この道祖神は、
碑面いっぱいに彫られた大胆な構図と、
顔立ちや衣服の線などが、
いきいきと美しく彫られているのが印象的です。
お二人の髪型やお顔の雰囲気、
着物の感じが「大池の頭領(おおいけのとうりょう)」に
大変よく似ており、
同じ職人の作であると思われます。
違いとしては、こちらの方が少々小ぶりであること。
こちらの神様の方が、優しいお顔立ちであること。
男神の袴のひもが「大池の頭領」は2本重ねであるのに対し
こちらは1本で直線的に表現されていること、などがあげられます。
さて、この像がなぜ「つつましき女神」と
名付けられたかと言いますと、
道祖神は一般的に、女神が男神の手指を
積極的に握っている場合が多いのですが
この像は山形村の道祖神で唯一、
男神の方が、女神の指を5本全部、しっかりと握っているのです。
男神の方が積極的に見えることから
「つつましき女神」と名付けられました。
またこの場所は「清水寺(きよみずでら)」に続く
「清水古道」の入口でもあります。
「清水寺」は奈良時代より続く、由緒ある山寺です。
こちらにもぜひ、足を運んでみてください。