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上竹田・建部神社
路傍の情熱(二)
ろぼうのじょうねつ
「路傍の情熱」という なんともドラマチックな呼び名が付いたこの道祖神ですが、 下竹田にある「路傍の情熱(一)」とは、 また違う雰囲気があります。 男神は真剣な面持ちで 女神の肩をぐっと引き寄せています。 一方女神は静かな表情をたたえ 着物のあわせに手を添えて、 裾が開くような形にしています。 静かに頬をよせて、こちらに向けたお二人の眼差しは いったい何を訴えているのでしょうか? さらにお二人の足下を見ると、 蓮の花の上に乗った形に彫られています。 着ている物も、公家風の衣装ではなく、 法衣(ほうい)のようなものを身につけています。 また、道祖神は多くの場合、 向かって右側に男神、左側に女神が配置されますが この道祖神は、男女が逆になっています。 このように、蓮の花の添え彫りがあり、 男女が逆に配置された像を「仏教系道祖神」と呼びます。 山形村には他にも「路傍の情熱(一)」と「小人のささやき」の2体があります。 ぜひ、そちらもご覧になってみてください。 ーーーー 右側にあるのは、三尸(さんし)の石碑です。 三尸とは、昔、人間の体にいると考えられた虫のこと。 寝ている間に、体から抜け出し、天帝にその人の悪事を告げ、 その人の寿命を縮めるという言い伝えがあります。 それならば、寝ずに朝まで酒盛りをしていれば、 虫が体から出ることはあるまい、というので、 「庚申待(こうしんまち)」という行事が行われるようになりました。 この石碑は、三尸の虫が 体から抜け出さなくなったことを喜んで、造られたもののようです。