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下竹田・唐沢(上水道配水池横)
車屋美人
くるまやびじん
この「車屋美人」は、 山形村でも一番高い位置に建てられた道祖神です。 「車屋」という名前は、この近くの唐沢川に沿って お蕎麦屋さんの集落があり、 そば粉を引く水車にちなんでつけられました。 若く美しい男女が、 契りの盃を交わす祝言(しゅうげん)の場面を表したもので、 女神がお酒を入れたひさげを持ってひざまずいていることから 「跪坐祝言像(きざしゅうげんぞう)」と分類されます。 神官の衣装を身につけた男神は、 女神の手を握って、ぐいっと自分の方に引き寄せようとしています。 力が入ったせいか、左手に持った盃は斜めに傾き、 せっかくお酌してもらったお酒が、 こぼれてしまいそうです。 女神は、大変な美人です。 十二単衣をあでやかに着こなし、横向きの姿も美しく、 男神の顔をじっと見つめています。 強く手を引かれたため、ひざが浮き上がり、 今にも男神の腕の中に飛び込んでしまいそうです。 初々しく優雅で、見るものを惚れ惚れとさせる傑作です。 このような「跪坐祝言像(きざしゅうげんぞう)」 安曇野発祥の道祖神であると言われており、 山形村には他に「酒樽」「袖中祝言」の2体があります。 ぜひそちらもご覧になってみてください。