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下竹田・唐沢(上水道配水池横)

車屋美人

くるまやびじん

碑身菱形の自然石

高 100㎝、巾 95㎝、厚 40㎝

基壇丸石一段

高 18㎝、巾 100㎝、厚 60㎝

記年銘弘化二巳年(1845年)

施主銘竹田村車屋中

中区円輪型

男神は烏帽子をつけ神官衣装で横向きに立ち、女神は十二単衣でひざまずきながら男神をじっと見つめています。男神は女神を引き起こそうとしているかのように右手を伸ばし手を握っています。女神は立ち膝になって酌をするために提子を持ち上げようとしています。男神はいかにも若くて凛々しく、女神の横向きのポーズは初々しく美しい裾さばきと黒髪はたおやかで、髪型にも優雅さとあでやかさを感じさせます。清楚で惚々する様な祝言像であり、巧みな彫刻像といえます。この地は清冽な唐沢川に添って清水寺に向かう丘陵地にあり、川の水は昔から生活用水として、また精米・製粉用として水車を使っていました。そのような人々が感謝と安泰を願って建立したのでしょうか。美ヶ原高原や鉢伏山を背に松本平を一望できる絶好の景色が道祖神の後ろに広がっています。まるで双神が空に浮かんでいる様です。

祭り旧2月8日に三九郎祭りとして行われていましたが、現在は行われていません。

烏帽子(えぼし):男子の袋状の被り物。

十二単衣(じゅうにひとえ):昔の女官の正装。

堤子(ひさげ):つるのある小鍋形の銚子。