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小坂・山口の辻

山口の丸髷

やまぐちのまるまげ

碑身縦長の自然石

高 70㎝、巾 40㎝、厚 30㎝

基壇自然石一段

高 30㎝、巾 80㎝、厚 60㎝

記年銘正徳五年十月(1715年)

施主銘有るも判明出来ず

中区はっきりしない

碑面は大変摩耗していて細部ははっきりしません。男神は長袴をはいて前髪を垂らし、女神は丸髭を結って振袖を着ています。幼馴染の恋人同士でしょうか。かわいらしさのただよっている道祖神です。二人の手はとても大きく、相手の肩深く迄抱きあっています。男神の右足と女神の左足は、もう少しで交差しそうで、胸も腰もぴったりつけています。顔も正面を向かずに見つめ合っています。とても情熱的です。この地には道祖神が無く、どこかから盗もうと話し合い、隣の朝日村古見の芦之窪の住人に頼み込み、寛政七年(1795年)に盗むと言う名目で嫁入りすることになり、屈強な男2,3人で道祖神を背負い乗越(古見から上大池豆沢に通じる古道)を越えてお運びしたと言うことです。このときの状況を記した古文章が朝日村に残っているそうです。また、この説を裏付けるものとして朝日村古見芦の窪のバス停の際にある道祖神の裏面に記載されています。現存する記念銘の正徳五年は山形村では最古の道祖神であります。

祭り昔は9月25日に行われていましたが、現在は山口常会の秋の収穫際の折に、御嶽講と一緒にお祭りをしています。

長袴(ながばかま):裾が長く、後ろに引きずる袴。

丸髷(まるまげ):日本髪の一種で、結婚した女性が結う代表的な髪形。

振袖(ふりそで):「振り」を作った袖を持つ着物。

祝言(しゅうげん):結婚式、婚礼。